第5章 悩める男心
気になる…
それは、疑っているからなのか
それとも…
「俺…青春だね…」
自室で目覚めたカカシは
先程まで、夢に出てきた気になる存在を
思い浮かべ、苦笑する。
忍待機所「人生色々」へと
足を運んだカカシだが、
受付に、今正に気になる…女性
かわのマイを見つけ、立ち止まる。
次から次へと受付業務をこなすマイ。
しかし、端と気づく。
先程から男、男、男、男のオンパレード。
カカシは気づくと、近くにあった椅子を持ち、マイの横に座りイチャパラを読み始めた。
突然のカカシの行動に目を丸くするマイ。
しかし、マイだけではなかった。
カカシの登場に、並んでいた忍達は
隣の列へと散り出した。
それもそのはず、イチャパラの影から
鋭い視線を飛ばしていたからだ。
『あの…はたけ上忍…何をしてらっしゃるのですか?』
「おはよ~読書♪」
『あの…邪魔なんですが…』
「大丈夫、大丈夫!気にしないで♪」
何を言っても無断かと諦めたマイは
黙々と受付業務に戻る。
『はたけ上忍…』
『はたけ上忍!』
何故だか先程からマイに名前を呼ばれると、イライラする自分に気がついた。
その原因は、然程難しいものではなかった。
「イルカ先生は名前なのに、同い年の俺が苗字っておかしくない?」
あまりに他人行儀な呼び方にあった。
同い年…という、自分の想い人との共通点をまた一つ見つけたことよりも
名前で読んでくれたことにカカシは満足していた。
気分よく、再度イチャパラに目を写した直後、またもイライラの原因が登場する。
『あ!アスマさん♪』
「お、なんだマイ。お前受付か」
嬉しそうに呼び止めるマイはもちろんだが、「マイ」と呼び捨てなのに引っ掛かる。
「アスマ…ちょっと来て」
「な、お前こんなとこでって…おい!」
ん?と首を傾げるマイに
またね♪と手を降り、アスマを待機所の
ソファーまで連れていった。