第4章 闇と光
「何でオヤジの名前を知ってんだ?
それに呼びすて…」
しまった…とマイは内心焦る。
一介の受付が、上忍を呼びすて、
しかもかなり馴れ馴れしくなってしまい
これではシカマルが疑いの目を向けるのも仕方ない。
『あ…、すみません。
奈良シカクさんっていったら、有名な方じゃないですか。木ノ葉の猪鹿蝶といったら有名ですし。
すみません。馴れ馴れしかったですね…』
ごく…ごく自然にミーハーを装うマイ。
(やば…シカクには、中忍時代良くしてもらったし、将棋打ったりしてたから、つい、ノリが出たわ…気を付けなきゃ。)
「ふーん。」
シカマルは納得…しきれてはいなかったが、対して気にすることなく相槌をうつ。
何せ、下忍ではトップクラスのきれる頭脳の持ち主である。
アスマとの事も、おちゃらけてその場は終わらせたが、やはり何となくひっかかるものがあったのだ。
微妙な空気を打破したのは
いの であった。
「貴女が有名な黒薔薇姫…アカデミーでは有名ですよ?
なるほどなるほど…」
いの は、アカデミーで噂になっていた
マイに出会えたことで、少し興奮していた。
『あー…、黒何とか?それはよくわからないけど…私はかわのマイっていうの。どうぞ宜しくね。』
ニコっと柔らかく微笑むと
いの はポワ~っと見とれ、
「や、山中…いの…です」
シカマルは耳まで赤くしてそっぽを向き
「奈良……シカマル…」
と答えるのだった。
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と、二人の反応に首を傾げるマイに
((……どんだけ鈍感なんだこの人…))
と心の中で見事にハモる二人だった。