• テキストサイズ

【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第4章 闇と光



両親がいないことで、誰からも誉められなかった事。
それがとてつもなくさみしかったこと。
人の気を引きたくて毎日バカをやったこと。
…苦しかったこと…。

「そうだよな…ナルト…
寂しかったんだよな…
苦しかったんだよな…」

イルカは涙を流し、ナルトへの精一杯の気持ちを伝えていく。

「ごめんなぁ…ナルト
オレがもっとしっかりしてりゃ
こんな思いさせずにすんだのによ」


マイは、その光景にフッと微笑むと
気配を感じ、視線を向ける。
恐らく、先ほどの攻撃で右腕及び、右側のアバラを骨折しているのであろう
ミズキが、その場に戻ってきた。

(殺すなってことだったから、少し緩めたけど…それでも立ち上がるなんて
流石は腐っても木ノ葉の忍か…)

マイが面の下からミズキを見据える。
ミズキはイルカに対し言葉をぶつける。

「…ゲホッ…
親の仇のそいつを庇って…なんになる。
そのバケ狐はお前が思ってるような…」
「バケ狐ならな」

イルカはミズキに顔を向けると
迷いのない真っ直ぐな眼で言った…。


「ナルトは違う…
あいつは…このオレが認めた優秀な生徒だ。
努力家で一途で…そのくせ不器用で
誰からも認めてもらえなくて…
こいつはもう、人の心の苦しみを知ってる…。
今はもうバケ狐じゃない…」

…っ…ひっく…くっ…っ…

「こいつは木ノ葉隠れの里の…
うずまきナルトだ…」


ナルトは自分を自分として見てくれる、
それだけでこんなにも幸せで、
こんなにも救われるのだと、
溢れる涙をとめることができないでいた。

イルカの言葉に
暗部であるマイの存在を忘れてしまうほどの怒りで、逆上したミズキは
隠していた十字手裏剣を構え
イルカへと突進していく

「っ…さっさと死ねぇ!!!!!!」



ガキーーーンッ!!

マイがクナイで手裏剣を捕らえると同時に
ナルトが術を発動する

マイはそのままミズキの喉元へと
手をかけ、近くの幹へと叩きつける。

「グハァッ…!!!!」


辺りには、千体は居るであろうナルトの影分身が、マイとミズキを取り囲むように並んでいた。

「ナルト…お前…」

イルカが、驚愕の声をもらす。
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp