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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第4章 闇と光



『しかし、それはあくまでも火影様の
いわば…勘。違いますか?』

「そこで、お主に動いてもらいたいのじゃ。
よいか…明日ナルト及びミズキの監視を命ずる」

『御意』



――――……



暗部服に着替え、マイは
アカデミー近くの木の上から
気配を殺し監視を開始した。



「分身の術!!!!!」

ボッフ~~ン
と何とも気の抜けた音と、共に
ヘロヘロの分身を作るナルト…。

(あちゃ~、苦手にも程があるよ…)
陰から見つめるマイは
頭を抱え苦笑する。

失格!!!! というイルカの声が
教室中にこだまするのだった。


――――……


「よくやった!さすが俺の子だ!」
「これで一人前だねオレ達!!」
「卒業おめでとう!今夜はママご馳走作るね!!」

無事、卒業試験に合格した生徒と親達は
歓喜の声を上げていた。

キィー… キィー……
アカデミーの隅に設置されている
ブランコの上で、肩を落とし落ち込んだ様子のナルトが、今にも泣きそうな顔でその様子を眺めていた。



「ねぇ、あの子…」
「例の子よ…一人だけ落ちたらしいわ!」
「フン!いい気味だわ…」
「あんなのが忍になったら大変よ!」
「だって本当はあの子…」
「ちょっと、それより先は禁句よ」



人間とは時に非情で残酷な生き物である。
自分の身を恐怖から守ろうとする為に
攻撃という手段で安泰を得ようとする。
それは、人数が多ければ多いほどに
人々は、善しとしてしまうのである。
それが、幼子だとしても…
植え付けられた恐怖の前に
大抵の人間は臆病になってしまうのだろう。


マイは、拳をきつく握りしめ
耐えていた。
気配を消していなくてはならない今、
微塵の殺気も立ててはいけない。

すぐに、駆けつけて
減らず口を叩けぬようにしてやりたい。

今すぐ抱きしめて、ぬくもりを、感じさせてやりたい。

ナルトに深い哀しみを突き付けた者が
マイはたまらなく許せなかった。




その直後、やはり奴は動きを見せた。

直ぐ様、火影のもとへ瞬身で向かい報告を終え、作戦を実行に移した。
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