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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第4章 闇と光



いつものように、寝ているであろうナルトを起こさないように、そっと鍵を開け中にはいる。

「マイ姉ちゃん!おはよってばよ」

『ナ、ナルト!?』

普段なら、まだベッドの上で可愛いらしい寝顔を見せてくれるナルトが珍しく、準備を終え起きていた。

どことなく落ち着きのないナルトの様子に、今日はアカデミーの卒業試験であることを思い出す。

「俺ってば、頑張る!卒業して立派な忍になるってばよ!
この前マイ姉ちゃんと約束したしさ!」

屈託のない笑顔にマイの心も暖かくなる。

『よし!美味しい朝御飯つくっちゃう!』




朝食を食べ終え、今日は休みであることを伝え、ナルトを見送る。

否、マイは暗部として
これから、ある者の監視につくためであった。


――――……



アスマと別れたマイは
暗部服に身を包むと、火影の元へと向かった。

『水姫です…参りました。』

暗部の召集と聞いていたマイだが、
そこにはマイ以外誰も来ていなかった。

『火影様…他の者は…?』

「今回は、お主一人に願いたいのじゃ。
ナルトのことでの…」

火影からの任務とは
明日の卒業試験で不穏な動きを見せる
可能性のある、忍の監視であった。
暗部の諜報部隊からの情報である為、
信頼度は高いと考えられるが、確信を得られる程の動きがない為、火影はマイに動いてもらうことにしたようだ。

その上、ナルト絡みである為、直の事マイの名前が上がったのだ。

「ミズキ…という忍は知っておるか?」

『受付で何度か確認しています。
最近、ナルトの様子を伺っているような姿が見られ、気にはしていましたが…それが…?』

アカデミーの教師…という事以外、特に何とも思っていなかったが、最近ナルトへの接触が突然増え、気にとめていたのだ。

「今まで、ナルトに近づくことのなかった者が…突然優しい言葉をかけるのは、怪しいとは思わぬか?
あやつらの代は、親が九尾を経験しておる。
あのイルカでさえ、ナルトには心から向き合っておるわけでもない」

マイは火影の言葉にどこか納得していた。
イルカは教師として素晴らしいと思う。
だが、無意識に厳しく、それは愛情からの厳しさだけなのだろうかと感じていたからだ。
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