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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第3章 葛藤



「土下座に決まってんだろ!!あははは!
忍でもないお前が偉そうにふざけんな!」

されるがままにされていたマイは
一気に殺気を放つ。
それは到底一般人ではあり得ない、否
常人の忍ではあり得ない程の殺気であった。
咄嗟にクナイを構えた男達の手が
ガタガタと震えているのが分かった。

頭を抑えていた男の首もとへ手を伸ばすと、
一気に地面へ組伏せる。
上から見下ろす双眼は鋭く冷たいもので、男はガタガタと震え、動けないでいた。

「…ぅっ…うわぁああああ」

叫び声をあげながら
その場から逃げようとする二人に
瞬身で目の前に立ちはだかり
片手に一人ずつ頭を掴みそのまま地面へと叩きつけた。

悲鳴をあげる間もなく気絶する二人…。

その様子を唖然と見ていた
現況の男へマイが視線を移すと
一瞬で近づき髪を引っ張り立ち上がらせる。

「くっ…あっ…お、お、お前何なんだよ!!!!」

必死に絞り出した声は、恐怖から悲鳴のようだった。

『お前に名乗る程、安くないんでね…
どうせ忍のグズなんだ…
ここで死んでも、問題ないよね…?』

男だけに向けられた殺気に…
常人の忍が耐えられるはずもなく

そのまま意識を手放した…。



掴んでいた髪を離すと、力なくその場に
崩れ落ちる男…。

その刹那、わずかだが感じる気配に
ハッと振り向くと…

持っていたタバコを落として
目を見開く、アスマの姿があった。



―――――……




白昼堂々ナンパか~?
等と暢気に路地裏へ向かったアスマは
絶句する…。

それはまさに、一瞬
放っている殺気が半端ではない上
この動きの速さはなんだ…。

細身の女が、自分より頭2つは
あるであろう、しかも忍相手に
力で叩きふせていた。

女が手を離すと
ドサッと力なく倒れる忍。

その直後、
振り向いた女と目が合う…
そして、昔共に戦った戦友に
姿が重なった気がした…。




「お前……マイ…か……?」



その問いに
マイは目を見開いて立ち尽くしていた。



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