第3章 葛藤
「なっ…お前、何だよその顔…」
マイの素顔に動揺を隠せないカカシは、
頬を赤らめ、横を向く。
『な、何だよって…何よ……。
悪かったわね…期待にそえなくて…。
カカシこそ…その…あれよ…』
カカシの素顔を見たマイも
やはり、動揺を隠せず、
しどろもどろになってしまった。
カカシは、下を向きモジモジする
マイに視線を戻すと
「その素顔…反則だ……。
めちゃくちゃ綺麗じゃない…か」
と、罰が悪そうに伝えた。
その言葉に、思いもよらず胸を高鳴らせた
マイは、恥ずかしそうに
『カ、カ、カカシこそ……やっぱり
かっこいいじゃない…の…』
と、ふいっと横を向き答えた。
『「ぷっ……あはははははは」』
お互いが同じような事を思っていたのが
おかしくなってきた二人は
どちらともなく笑いだした。
素顔を見せあえたことで、今まで以上に
近づけた気がした二人は、
並ぶように座り
お互い、今までの事を包み隠さず
話し合ったのだ。
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しゃごみこんでいたマイは
その場に体育座りのような形で座りこみ
慰霊碑を見上げた。
その中には、昔の仮名
「翠月 マイ」の名が
記されていた。
『辛い思いいっぱいしてさ、
そっちに逝きそこねたけど……
私ね幸せなんだ…みんな…
オビトによく似た子に出会ったよ。
まっすぐで純粋で、
自分の運命に抗おうと必死で
でもね、みんなを強くしてくれる
太陽みたいな子なの……』
『あっ、聞いてよ…
私綱手様と一緒に住んでたんだよ。
すごい偶然なんだけどね…
自来也様とも修行したりしてさ…
フフ……。』
『三代目火影様なんて、
今では ひー爺様よ♪
ヒルゼンだから、ひー爺様…。』