第3章 葛藤
先程、ナルトのイタズラを窓際から
眺めていたマイは、
ふと、入り口に立つカカシの存在に気づいていた。
そして、マイを見つめていた事も…。
(っつ…、アイツなんでいるのよ…。
確かに上忍待機所はあるけども…。
なるべく会わないようにしてたのに、
っていうか、何故見つめてる!?
き、気づかれた…とか?
いやいや、でもさっきの殺気は
かなり圧し殺したし…。)
と、クスクスと無邪気に笑っていたマイだが、内心はカカシの存在にてんやわんやしていたのだ。
そして、受付の席に戻る際、
一瞬カカシの姿を目にとらえ、
見たことを後悔した。
カカシもつい最近まで、暗部として任務についていた為、
マイと、カカシは共に過ごしてきたのだが、
面をつけ、必要以上の会話をすることもなく、
カカシもマイも、その実力から
部隊長を任されていた事もあり
二人で組むことは、ほとんどなかったのだ。
その為、面をとった状態で顔を合わせるのは、
14の時以来…。
12年ぶりのことであった。
受付での再会によって
自然と昔の思い出までも
思い出され…
慰霊碑に手をつくと
『オビト……
アイツ……かっこよかったのよ……』
絞り出すような声で眠る親友へ呟き
その場に頭を抱えしゃがみこむマイ。
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カカシとは、マイが死んだとされた任務につく前に、お互いの素顔を見せあったことがあった。
オビトが命を落としてまもない頃で、
カカシに寄り添ううちに、次第に自分を偽らず伝えたいと思ったからだった。