第3章 葛藤
偉大な火影岩に落書きをするという
ある意味、偉業を成し遂げたナルトは
火影並びにイルカにこっぴどく叱られ
授業を終えてから、一人落書きを掃除していた。
事務仕事を終え、ナルトと一緒にかえろうとしていたマイは、掃除をしながら、何やらイルカと嬉しそうに話すナルトを見つけ、少し時間を潰してから迎えに来ようと、ある場所へ足を向けた。
木ノ葉の里の外れにある
慰霊碑…。
木ノ葉の殉職した英雄達が
眠る場所である…。
そこから少し離れた場所に
大きな石柱が立派にそびえ立っている。
それは、水流園一族の眠る場所であった。
姓を伏せて生きてきた彼らへの
せめてもの感謝の証しとして
三代目が建ててくれたものだった。
慰霊碑のように、名前が彫られているわけでもないが、
その石柱には、水に愛された水流園一族を讃えるように、立派な水神の彫刻がされていた。
普段、人目を気にし、暗部任務の前や
後にしか立ち寄らない場所なのだが
水流園の石柱はもちろん、
マイはどうしても慰霊碑に
会いにきたかったのだ。
否、慰霊碑に眠る友に
会いたくなってしまったのだ…
ある男のせいで…。