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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第3章 葛藤



一方、その少女とは
同じく5歳でアカデミー卒業、下忍昇格、
カカシの翌年7歳で中忍昇格を果たし、
以後暗部で「木ノ葉の水神姫」と
恐れられるようになる
水流園マイ、否、翠月マイ
後の、かわのマイは、
先ほどから感じる視線に振り向くと、
カカシと事実上の初対面を果たす。


お互い、噂されていたことなど気にもとめず、
下忍認定試験でも別班だったこともあり、
お互いの存在を確認しあったのは、
これが初めてであった。


((………口布が…お揃いってないわ……))



実に、微妙な第一印象となった。



天才故、同期の仲間と何かと距離が出来てしまう
カカシは、実力も年もさほど変わらないマイと
自然とよく会話する間柄になっていった。

いつしか、お互いに何でも話せるような存在になり
忍の間でも有名なほどの、名コンビになった。

しかしその最中、カカシの父 
はたけサクモが
自ら命を絶つという悲劇が訪れた。

木ノ葉の白い牙…と称えられた、はたけサクモは
任務中に、作戦遂行よりも仲間の命を優先させたことで、
里中から非難をあび、又、助けた仲間達からも攻め立てられ、精神的にも体力的にも追い詰められた結果
自害という悲しい選択を選んでしまったのである。

『…カカシ…』

静かにひっそりと執り行われた葬儀。
マイはカカシにそっと声をかけた。

カカシはマイを見ることなく、
前を向いたまま
小さな声で答えた。


「父さんは…馬鹿だ…。何が白い牙だ。
俺は、父さんのような忍には…ならない…。」

まっすぐ前を向いて紡ぐその言葉に
決意のようなものを感じることは出来たが、
マイには悲痛にも似た叫びに聞こえた。


『私ね…カカシ。
貴方のお父さんは、
偉大で立派な忍だったと思うわ。
掟やルールは確かに大切なもので、
私達忍にとって守らなくてはいけないもの…。
でもね…
仲間の命を大切に出来ないような忍って
本当の忍なのかしら…』
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