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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第3章 葛藤



事の一部始終を
受付入り口の隅から見ていた一人の男は
先程、マイが怒りを露にした場面を
思い返していた。

ごくわずかな殺気だった。
それは、皆、憤怒したら起こすくらいのものだった。
しかし、何か引っ掛かりを感じ
男は窓際で笑みをこぼすマイを
遠目から見つめていた。
何がとは分からない
だが、いくつもの死線を潜り抜けてきた
自分の感覚が、違和感を知らせていた。

「火影様の古い知り合いの子…
ナルトのよき理解者で、昔からの顔見知り…
かわのマイ……
マイねぇ……。」


男はかつての同期であり友であり、
何よりも大切だった女性を
思い返していた。




━━━━━━━━━━━━━━━…





わずか5歳にしてアカデミー卒業、下忍昇格、
翌年6歳にして中忍昇格。
13歳という若さで、上忍にまで
上り詰めることとなる
木ノ葉きっての天才忍者…

はたけカカシ は、

下忍認定試験を終え、忍者登録書を届ける為
火影室へと向かっていた。
廊下を進むカカシは、
火影室の前にいる
先客に目を向けた。

そこには黒髪を一つに結い、
黒一色で統一された服装の
一人の少女が立っていた。
手元を見ると、カカシと同じく
忍者登録書を持っている。

(…俺の少し下か…
同い年くらいか…しかも女……)

カカシは、里でも天才と謳われる自分と
さほど変わらぬ年の少女に、
自然と興味を持った。
そして、アカデミーで噂されていた人物を
思い返し少女へと視線を向けていた。
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