第3章 葛藤
何事もなかったかのように、受付業務をこなしていると
あわただしく駆けて回る見知った人物が目に入り
声をかけた。
『ん?イルカ先生!』
呼ばれた方を振り向き、
声をかけたのがマイと気づいたイルカは、
少し顔を赤らめ小走りでかけてきた。
「あ…きょ、今日の受付は
マイさんだったんですね」
恥ずかしそうに鼻の傷を指でかきながら
うみのイルカ は声をかけた。
イルカは中忍であり、アカデミーで教師をしている。
ナルトの担任であることから、顔見知りの存在であった。
『はい。そうなんです。
それよりも、なんだかすごく慌てて
いらっしゃいましたが、どうかされました?』
ハッとした表情を浮かべ、
イルカはマイに問い返した。
「そ、そうでした!
あの、ナルトの奴みかけませんでしたか?
アイツ授業中なのに、いきなり抜け出して…」
マイはふと、窓に目をやると
イルカが話しているにも関わらず、お腹を抱えてクスクスと笑い出した。