第3章 葛藤
マイの身を按じた火影の移行により
余程の事がないかぎり、暗部任務の次の日は、受付の交代にあわせ、休暇をとれるようにしてくれたのだ。
幼い頃から独り暮らしをしていたナルトは、
不摂生な生活、食事習慣だった為、
同じ場所へ通うのだからと
朝御飯や、時には夕飯の面倒も見ることを提案した。
ナルトの生活を気にとめていた火影は
すまんの…と、苦笑しつつも
マイの申し出に嬉しそうにかえした。
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「かー!
相変わらずマイ姉ちゃんのご飯は
うまいってばよぉ!」
頬っぺたにご飯粒をつけながら
嬉しそうに食べるナルトに
見ているマイまで嬉しくなり
自然と笑みがこぼれる。
『残り物でこんなに喜んでもらえるなんて…
作りがいがあります♪
じゃあ、私も…いただきます…』
口布を下ろし、食べはじめるマイの
美しい容姿をかきけすかのような、
左頬から顎にかけてある、大きく深い傷跡に、何度見ても心が痛くなるナルトだったが、悟られないように食事を続ける。
ナルトの一瞬の気の乱れに気づいたマイは、心の中で申し訳ない気持ちと葛藤するのだった。