第3章 葛藤
水流園 マイ 否、
かわのマイの朝は早い…。
暗部の任務は夜から、夜中に行うものが多いが、マイは6時には起床する。
場合によっては、徹夜明けになることも
珍しくはなかった。
マイは洗顔や髪を整える等の
簡単な身支度を終えると
ラフな、やはり黒ベースの服に着替え
自宅を後にする。
早朝ではあるものの、
万が一を考え、瞬身は使わず歩いて
ある場所へと向かった。
里の中心部にあるアパートの一室の前で立ち止まると、
合鍵で鍵をあけ、部屋の中に入る。
『あらら、まーた脱ぎっぱなし…』
玄関先に散らかっている服を
たたみながら進み、カーテンをあけ、
マイはキッチンで二人分の朝御飯を
作りはじめた。
しばらくすると、朝日の明るさと
調理の音と匂いに気づいた部屋主が
ボサボサの頭をかきながら気だるそうに起きてきた。
「ふぁ~あ。
ん~、おはようってばよマイ姉ちゃん…」
その姿に満面の笑みで
『寝癖なら火影級ね…おはようナルト♪』
と、かえすマイだった。
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ナルトと初めて顔をあわせた
あの日から、
親交を深めたマイとナルトは
血の繋がりはないものの、本当の姉弟のように過ごしてきた。
ナルトがアカデミーに入学するのを期に、
火影から監視を含め受付での仕事を頼まれた。
九尾の事は機密、他言無用とされてきたが、
快く思わない里の大人達からの非難が、いつしか子ども達にも影響が出てきているのは事実で、
監視との名目ではあるものの、火影の親心からのものであった。
しかし、暗部の仕事があるマイにとっては、休む時間がなくなり
今まで以上にハードな生活を送ることになるのだが、
それでもマイは、ナルトの成長を側で見守りたいと、快く承諾した。
マイも相当な弟馬鹿である…。