第15章 写輪眼
大蛇丸に殺気が無いことを確認し、マイは刀を終う。
その様子を満足げに確認すると、大蛇丸はクナイを引き、その場に立ち上がる。
その隙にカカシがサスケをその場から抱きかかえ、マイの側まで移動させた。
気づかなかった…否、気づけなかった…。
察知能力には長けている筈のマイが、寸前に現れるまで気づく事ができなかったのである。
「お久しぶりね…カカシくん。それと…水流園…マイさん…」
『「―――!!!!!?????」』
やはり知っていた…、そして、あの時確信したのだろう。マイは大蛇丸の前で体術を披露してしまった、死の森での事を悔やんだ。
「驚いているようね…。私の情報網を甘くみないでほしいわ…。でも、悪いけどカカシくんには用はないのよ。あるのは、その後ろの子と…アナタ」
大蛇丸と視線が交錯する。
これほどの威圧感を放つ忍はそうそういない。
マイは、全身に走る悪寒に動揺していた。
──────────……
試験会場から少し離れた場所にある、医療班が配置された建物で、気絶したサスケを医療班へと受け渡す。
暫くして治療が終わり、カカシとマイはサスケの眠る個室へと移動した。
大蛇丸に狙われている今、暗部の護衛をつける為、一般治療者達がいるところからは離れた個室にしてもらったのだ。
医療班が部屋を後にしたのを確認し、カカシはマイへと先程の出来事を振り返るように話し出した。
「マイがいてくれて助かった…俺一人じゃどうなっていたか…」
『そんなことない…私がいたとしても…本気で来られたら恐らく…殺られた…』
二人の間に沈黙が流れる。
其ほどまでに圧倒的な差を感じたのだった。
大蛇丸に…。