第15章 写輪眼
―何故サスケを狙う。マイの事まで調べあげて…何が目的だ!?―
何を考えているのか…詮索することさえも恐怖するような怪しい笑み…。
―貴方はもう持ってるじゃない…左目の写輪眼!!
欲しいのよ…うちはの血が…―
それは…あまりにも…そう無邪気な少年のような、無垢な少年の…興味にも思えた。
―それに水流園の体…。揃えばいい手駒になるわ…―
自分の興味の為には手段を選ばぬ…我が儘な…少年…。
―そんな封印意味ないわ…。目的のため…どんな邪悪な力であろうと求める心…彼はその素質の持ち主…復讐者なのよね―
―いずれ彼は必ず私を求める、力を求めてね…―
―君が私を殺すんだって?
やってみれば?
できればだけど…―
「刺し違える…ハッ…馬鹿か俺は…」
『カカシ…』
大蛇丸とのやり取り…。
里一と謳われる二人が揃っていながら、仕留める事は出来なかった。
動けなかった…。
大蛇丸が放った殺気で…死をイメージさせられたのだ。
「とりあえず、俺は会場に戻るよ。後は…頼んだよ」
『分かった。外にも私の部下を3人置いておいたから…。』
カカシは、軽く手を上げると、瞬身でその場を後にした。
マイは、眠るサスケに視線を落とすと…拳を強く握りしめた。
自惚れていた…と。
決して自分の力を誇示していてつもりはなかった。しかし、甘かったのだ。
今のままで良い訳がない。
もっと強く…皆を守れる力を手に入れなくてはいけない。
今、試験を受けている若き忍達のように…
もっと…高みへ…。