第14章 第三次試験予選
しばらくして、火影が塔へと到着した。
すぐさまアンコの呪印の状態を確認する。
「どうじゃ…呪印はまだ痛むかの…」
「いえ…おかげで大分良くなりました」
ソファに座り、呪印を押さえた状態で答えるアンコ。冷や汗が止まらない様子から、まだ苦しいのであろうことが分かる。
火影と共に塔に来た、はがねコテツと神月イズモが切り出した。
「それにしても…大蛇丸って木ノ葉伝説の、あの“三忍”の内の一人ですよね」
コテツは更に続けた。
「暗部すら手が出せなかった、ビンゴブックS級の抜け忍でしょ。すでに死んだとも聞いてましたけど…」
イズモもまた、自分の疑問をぶつけるかのように切り出す。
「何故、今更この里なんかに…」
コテツとイズモの問いかけに、先程大蛇丸と交わした会話を思い返し、アンコは思い当たる節を言葉に出そうとするが、それを遮るように火影は、目的はおそらくサスケであろうと答えた。
何故火影が知っているのかと、驚きの表情で見上げるアンコを尻目に、通信で中忍試験の終わりが告げられたのだった。
21名の通過者。
壮絶な第二試験にしては、上出来な結果だった。
これにより、第三次試験は5年ぶりの予選を開催することが決定した。
マイとカカシは火影に別室へと呼び出された。
「して…水姫。お主から報告を聞こう」
先程の火影の様子からして、ある程度の事は理解しているようだったが、細かく状況把握するために呼び出されたようだった。
マイは申面を外すと、報告するべく火影の前に膝をつき話始めた。
『はい。第二次試験開始前に気になる動きを見せた草隠れの忍を追うように向かったところ、ナルト達と戦闘になっていました。』
無言で相槌をうつ火影を確認し、続ける。
『試験中のため傍観していた所、大蛇丸であることを告げ、その直後サスケへと呪印を施したようです。止めに入りましたが間に合いませんでした…』
床に突き立てた拳に自然と力が入る。
『その後、アンコが大蛇丸をとめるために戦闘になったようですが、呪印によって取り逃がしたようです。』
言い終えると、唇を噛み締めるマイ。
その様子を察してか、火影はマイの肩に優しく手を起き、そっと声をかける。