第14章 第三次試験予選
「水姫さん。見てくださいよビデオ」
待機所につくなり、暗部の一人がマイに話しかけてきた。
どうやら、監視カメラの映像を記録したビデオのようだ。
既に、その場にいた者達は目を通した後なのだろう。
ビデオには塔に到着した、恐らく砂の忍びであろう3人の少年少女が写っていた。
一人は少女、二人のうちの一人の少年は背中にぐるぐる巻きにされた人形の様なものを背負っている…恐らく傀儡師…。そして、問題の少年。背中のひょうたんのような荷物が気になるだけでない。あまりにも醒めた冷たい目。
塔に到着した時刻が開始からわずか約1時間半。
それだけならまだしも、中央に移るひょうたんの少年は傷一つ…否、埃一つついていない。
『……これは…下忍とは言わないわね』
「水姫、あんたなら可能か?」
後から入ってきたカカシに問いかけられ、マイは頭に被っていたフードをとり、馬鹿馬鹿しいといったようにカカシに振り返り答えた。
『ククク…無理無理。時間は余裕だけど、無傷なんて無理ね。この子…本当何者なのかしら』
(((((………時間は余裕なんだ………)))))
その場にいた者たちは、改めて水神姫といわれた水姫の圧倒的な力に驚いていた。