第12章 中忍試験開始!!
「てめーはサスケの偽者だろ…!!」
「このウスラトンカチが…。オレは本物だ…!」
「…ウソつけ…。こんなバカで腰抜けヤローは、ぜってーオレの知ってるサスケじゃねー!!」
危機的状況に変わりないが、マイは心が温かくなるのを感じていた。
似ている…。あの頃の、オビトとカカシに。
ドジで不器用で、だけど忍への情熱と志だけは誰にも負けない強さを持っていたオビト。
生まれもっての天才と謳われ、技術、体術申し分ないが規則へのこだわり故に大切な物を見落としてしまいがちだったカカシ。
「こいつがどんだけ強えーか知らねーが…。巻物渡したって、オレたちを見逃すって保障がどこにあんだよ…。
ビビって状況分かってねーのはお前のほうだってばよ!」
(真っ直ぐ…本当に太陽ねナルト。貴方がみんなを照らしていくの…)
ナルトの登場で、場の嫌な空気が変わりつつあるのをマイは感じ、ホッとしたのもつかの間…。
草隠れの忍が更に口寄せを発動する。
「クソ喰らえーーーーー!!!!」
襲ってきた大蛇を一撃で気絶させるナルト。
九尾のチャクラを感じとったマイは、身構える。と同時に、草隠れの忍が明らかにナルトを見て何かに気づいたようだった。
それをマイは見逃さない。
(ナルトの力に驚いた…?まさか九尾の事を?いや…まだ様子を見てみないと…)
絶対不利のこの状況下、マイは一つも見落とさないように、集中力を高めた。