第11章 親心と男心
『あの子達は…もう立派な忍です。もう生徒ではないですよ…イルカ先生。
誰よりもイルカ先生に、応援してほしいと思います。』
イルカは見入っていた。
真っ直ぐで純粋なまでの信頼。
容姿だけでなく、なんて綺麗な人なのだろうと。
自分の悩みを意図も簡単に消し飛ばすマイの言葉。
イルカは考えるより先に、マイを抱き締めていた。
「ありがとう、ございます…。そうですね。俺もまだまだです。」
スッキリしたように、爽やかな笑みを向けるイルカに、驚きつつもマイは微笑みかえした。
「やっぱり…好き…です。俺…。」
『誰を…ですか?』
「マイさんを…恋愛対象として真剣に好きです。」
『なっ!?』
超絶鈍感であるマイに、確実に伝える為イルカは真剣に直球で思いを伝えた。
途端に真っ赤になり、イルカから離れるマイ。
「ま、前々から…その…気になっていたんです!
今、改めて確信しました。貴女は本当に素敵です。」
今まで告白された経験のないマイは、突然のイルカからの告白に頭が真っ白になっていた。
(否、山程あるのだが、全て鈍感故にスルーしてきたのだ)
「あの…好きな人とか…いるんですか…?」
好きな人…
いる…。
自分の想いに気付いてしまったあの日。
昔から好きだったアイツ。
しかし、想いが通じるのだろうか。
知らない女と抱き合うカカシが頭を掠める…。
『あの…その…少し考えさせて…下さい…』
「も、もちろんです!俺こそ…なんかすみません。勢いで…でも、本気ですから…」