第11章 親心と男心
「はぁ……」
朝から既に何十回もため息をつく隣のイルカに、#NAME1 #はいよいよ声をかけた。
『何か…悩み事ですか?』
「あっ、いや…すみません…。大したことでは…」
『…なくはないですよね…?』
イルカの心情に気づいたマイの言葉に、あはははとから笑いを漏らすイルカ。
「するどいですね…マイさん。忍に向いてますよ…はは」
『あ…ははは…』
(イルカ先生こそ…鋭い…)
昼休みになり、マイはイルカを中庭のベンチへと誘った。隣同士に座ると、イルカは顔を伏せたまま静かに話し始めた。
「実は…中忍試験のことなんですが…」
『あ!ナルトから聞きました♪それはそれは喜んでましたよ!俺ってば火影街道まっしぐらだってばよ!!って』
「そうですか…」
ナルトの話を、いつも楽しそうに話すイルカが、まったく乗ってこない様子を見て、マイは心配そうにイルカを見つめる。
「先日、中忍試験発表の場で…カカシ先生と一悶着ありまして…」
『カカシさんと…?』
「ナルト達を推薦するにはまだ早いと説得した俺に…あいつらは俺の部下です。と一刀両断されまして…」
『あ…なるほど…』
(あいっかわらずストレートなのよね…。忍関係の事になると有無を言わさずは、変わってないのね…)
「あいつらはまだまだ成長途中です!中忍試験は壮絶なほど厳しいものです。再起不能になることもあります!俺は…ナルトをこんな所で終わらせたくなくて…」
イルカが言わんとしていることは痛いほど分かるマイだったが、真剣な面持ちでイルカへ向きなおすと、静かに告げた。
『ナルトは…終わりませんよ?』
イルカはハッとした顔でマイを見る。
『あの子達は確かにまだまだ発展途上です。でも強くなってます確実に…。
カカシさんも…あー見えて一流忍者ですから。あの子達の可能性をかってるんだと思います。』
マイはベンチから立ち上がり、火影岩を見つめると続けた。
『火影に…なってくれますきっと…。ナルトは…太陽なんです私の。いつでも明るく照らしてくれる太陽。どんなことにもへこたれず、挫けず諦めない。』
イルカへと振り向くと、一つの迷いもない眼差しで伝える。