第10章 本当のワタシ
暗部任務があるマイは、一足先に里へと帰り、火影に勝手な行動を咎められたが、負けじと言い返し、結局、数日の間火影はマイのご機嫌をとることになったとか…。
所詮娘馬鹿な火影であった。
――――――……
数日後…
火影室へと、上忍、特別上忍、暗部隊長、御意見番の二人に招集がかかった。
暗部部隊長までいるとなると、皆何事かとそわそわしている。
「ご苦労…。今日はお主らに話さねばならぬ重要な報告があり招集をかけた次第じゃ」
火影の言葉に、皆背筋を伸ばし緊張した面持ちで報告を待つ。
「この話は、ここに居るもの達だけに留めておいてほしい。お主らを信用してのことだ。」
皆、火影否、里への忠誠を誓うかのように、方膝をつき承諾する。
「昔話をせにゃならんな…。お主らの中で水流園という一族の名を聞いたことがあるかのぉ?」
場の様子からして、3分の2が知っているようだった。
上層部の忍ともなれば、得る情報網も伊達ではなく、古い忍との交流もあるため、噂くらいは耳に入るようだ。
「うむ…その昔、水に愛された水流園一族という水遁を得意とする最強と謳われた一族がおった………」
―――――――――……
一通り話終えると、その場にいたもの達は様々な反応を示していた。
伝説的にもなっている水流園一族が実在していたことに興奮するもの。
憧れを抱くもの。
滅びた事を嘆くもの…。
「………入りなさい」
火影の言葉に皆、扉へと注目する。
扉を開け、部屋に入ってきた人物に、皆首を傾げていた。
受付にいる事務のマイが、何故こんなにも重要な話し合いの場に呼ばれるのか。
カカシ、アスマ、紅以外の忍はざわざわと落ち着かない様子である。
「驚くのも…無理はない。
わしが先程話した水流園の唯一の生き残り…
彼女が、水流園マイじゃ…」
…………
……………………
…………………………………
ええぇ――――――――――!!!!!????
火影室中に響き渡る驚きの叫びに
火影は苦笑し、マイもまた申し訳なさそうに苦笑していた。
唯一知っている3人と目が合ったマイは、一つ頷くと、皆に真っ直ぐ向き、凛とした声で話しはじめた。