第7章 結ばれた2人
「イギリスに、一緒に来てほしい。
遠距離とか、画面越しの関係じゃなくて、ちゃんと隣にいてほしい。
一緒に暮らして、朝も夜も、日常も全部、英美子と過ごしたい。」
その言葉は、静かに、でも確かに彼女の胸に届いた。
英美子は何も言えずに、ただ彼の目を見つめた。
「不安なのはわかってる。でも、俺は逃げない。
英美子がどんな気持ちでも、ちゃんと受け止める。
だから、少しずつでもいい。一緒に未来を考えていこう。」
英美子は、サクラの寝息を聞きながら、そっと頷いた。
その頷きは、まだ不安が揺れ動いていたが、千切を信じようという思いが宿っていた
翌朝の空港は、どこか冷たい風が吹いていた。
出国ゲートの前で、英美子は千切と並んで立っていた。
周囲には旅立つ人々のざわめきがあったが、ふたりの時間は静かに流れていた。
「荷物は最低限でいい。チケットは出国日が決まったら送るから。」
千切は、英美子の手を握りながら言った。
「サクラと一緒に、パスポートができ次第イギリスに来て。空港には俺が迎えに行く。…あっちで、3人で暮らそう。」
英美子は頷きながらも、胸の奥がじんわりと痛んだ。
離れることが、こんなにも寂しいとは思っていなかった。