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足元に吹き抜けてく花びら

第7章 結ばれた2人


タクシーの窓の外を、街の灯りが流れていく。
英美子は千切の隣に座りながら、膝の上で指を組んでいた。
まだ「付き合っている」という実感は、胸の奥にうまく馴染んでいなかった。
嬉しさと不安が交互に押し寄せて、言葉にならないまま喉の奥に留まっていた。

千切はそんな彼女の横顔をちらりと見て、何も言わずにそっと手を重ねた。
その温もりに、英美子は少しだけ肩の力を抜いた。

家に着くと、英美子は鍵を開けて千切を招き入れた。
玄関に入ると、サクラが小さく鳴いて出迎える。

「この子が、サクラ。恵美から譲ってもらったの。」

英美子がそう紹介すると、千切はしゃがんでサクラに手を差し出した。
サクラは警戒しながらも、千切の指先に鼻を寄せて、そっと匂いを嗅いだ。

「可愛いな。…英美子に似てる。」

「それ、褒めてる?」

「もちろん。」

リビングに移ると、英美子はキッチンでコーヒーを淹れ、マグカップを千切に手渡した。
ふたりはソファに並んで座り、サクラは少し離れた場所で丸くなっていた。

英美子は、カップを両手で包みながら、ぽつりと口を開いた。

「…なんか、まだ実感がなくて。付き合ってるって言っても、夢みたいで。
嬉しいけど、怖い。豹馬が本当に私を選んだのかって、信じきれない。」

千切は少しだけ黙ってから、マグをテーブルに置いた。
そして、英美子の手をそっと取る。

「俺は、英美子を選んだ。迷いなんてない。
ずっと一緒にいたいって思ってる。…だから、お願いがある。」

英美子は驚いたように彼を見つめる。
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