第10章 家族になる
『これが、私の家族―――』
豹馬に抱かれながら、家族の光景を温かく見守っていた英美子。その横顔を、千切がそっと覗き込む。
「あなたと出会って、恋をして―――愛し合うようになって、可愛い子供たちを授かって……幸せだなぁって、思ってたところ」
穏やかにそう語る英美子の肩に、千切は顔を埋めながら、
「俺も―――最っ高に幸せ」
と、噛みしめるように言った。
『そう、桜が舞うあの公園で、すべてが始まった。たぶん助けてもらったあの日から、私は豹馬に惹かれていたのだ』
遠い記憶を手繰り寄せながら、英美子はしみじみと思う。
『そして願う。この幸せが、いつまでも続くようにと―――』
子供たちを見守りながら、互いを確かめ合うように腕を回す二人。
まるで絵に描いたような―――
『幸せな家族像』
が、そこには確かに存在していた。