• テキストサイズ

足元に吹き抜けてく花びら

第7章 結ばれた2人


千切はまだベッドに寝そべったまま、いたずらっぽく言う。


「もう少し、ゆっくりしようよ。なんなら、昨日の続きする?」


その言葉に、英美子は再び枕を投げつけた。


「バカ!」


顔を赤くして言い放つ彼女の枕を、千切は軽く首を傾けて避け、笑い声を上げた。


「サクラが心配なんだろ? 俺も付き合うよ。」


そう言ってベッドから抜け出すと、千切も下着を身につけ、着替えを始めた。


英美子は、ふとした拍子に彼の体を盗み見てしまう。
鎖骨の浮き上がった広い胸板。
細身ながらもアスリートらしい均整の取れた筋肉に覆われた身体。
それを彩る、女性顔負けの美貌と、鮮やかな赤い長髪。
後ろ髪を片側だけ丁寧に編み込んだその姿は、まるで芸術作品のようだった。


思わず見とれていた英美子の視線に気づいた千切は、ニヤリと笑う。


「何? 惚れ直した?」


「うん」


反射的に頷いた英美子に、千切はまた顔を赤らめながらも、照れ隠しに冗談めいて返す。


「だろ?」


そして、ルームサービスのメニュー表を広げながら言った。


「軽く朝飯食べよう。パンと、サラダと、オムレツでいいか?」


英美子は微笑みながら頷いた。


「十分だよ。」


その朝の空気は、どこまでも穏やかだった。
/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp