第7章 結ばれた2人
千切はまだベッドに寝そべったまま、いたずらっぽく言う。
「もう少し、ゆっくりしようよ。なんなら、昨日の続きする?」
その言葉に、英美子は再び枕を投げつけた。
「バカ!」
顔を赤くして言い放つ彼女の枕を、千切は軽く首を傾けて避け、笑い声を上げた。
「サクラが心配なんだろ? 俺も付き合うよ。」
そう言ってベッドから抜け出すと、千切も下着を身につけ、着替えを始めた。
英美子は、ふとした拍子に彼の体を盗み見てしまう。
鎖骨の浮き上がった広い胸板。
細身ながらもアスリートらしい均整の取れた筋肉に覆われた身体。
それを彩る、女性顔負けの美貌と、鮮やかな赤い長髪。
後ろ髪を片側だけ丁寧に編み込んだその姿は、まるで芸術作品のようだった。
思わず見とれていた英美子の視線に気づいた千切は、ニヤリと笑う。
「何? 惚れ直した?」
「うん」
反射的に頷いた英美子に、千切はまた顔を赤らめながらも、照れ隠しに冗談めいて返す。
「だろ?」
そして、ルームサービスのメニュー表を広げながら言った。
「軽く朝飯食べよう。パンと、サラダと、オムレツでいいか?」
英美子は微笑みながら頷いた。
「十分だよ。」
その朝の空気は、どこまでも穏やかだった。