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足元に吹き抜けてく花びら

第5章 試合の後で


英美子はキャリーバッグを受け取り、そっと太ももの上に載せる。
生き物の温かさが、じんわりと安心感を与えてくれた。




恵美は山のような荷物を一つずつ玄関に立てかけながら言った。




「これ、折りたたみケージ。トイレと砂は用意したって言ってたから省いて、餌と水飲み皿と餌皿ね」



そして、少し申し訳なさそうに眉を下げた。




「今回の件、大変だったろ? 心配してたんだけど、仕事が忙しくて、満足に連絡できずにごめんな」




その言葉に、英美子は首を振って微笑んだ。



「ありがとう。色々あったけど、悪い経験じゃなかったかな。友達も増えたし…」



恵美はその笑顔を見て、誇らしげに笑みを返した。




「記者会見の君、見たけどかっこよかったよ」



英美子は、太ももの上で小さく震える命を見つめながら、静かに頷いた。


「荷物が多くて、旦那に送ってもらってたんだわ。車と旦那、待たせてるから、お暇させてもらうね。猫、可愛がってやってな。」


そう言い残して、恵美は慌ただしく玄関を後にした。
英美子はキャリーバッグを太ももからそっと下ろすと、足を引きずりながら猫グッズを室内へ運び込んだ。
折りたたみケージを組み立て、餌と水、トイレを設置し、柔らかな毛布で寝床を整える。
準備が整うと、キャリーバッグのファスナーをゆっくり開け、猫をそっとケージへと放した。
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