第5章 試合の後で
英美子が
「この瞬間、忘れたくないな」
と言うと、潔は
「忘れないよ。写真にも、心にも残るから」
と答えた。
メリーゴーランドの音楽が流れる中、英美子は静かに笑っていた。風が髪彼女のパープルブラウンの長いを揺らし、彼女の頬に光が差した。
午後、6人は貸切のパンケーキ専門店へ向かった。店内は木の温もりに包まれ、窓から差し込む光がテーブルを照らしていた。
それぞれが好きなトッピングを選びながら、会話は自然と未来の話へと移っていく。
「そういえばスペインでも、パンケーキってあるのかな?」
蜂楽が言うと、凪は
「あるけど、味は違うかも」
と返す。
千切は
「でも、こういう時間は、どこにいても作れるよね」
と言い、玲王は
「うん。場所じゃなくて、誰といるかだ」
と頷いた。
英美子は静かにみんなを見渡しながら
「ありがとう。こんなふうに、心から笑える日をくれて」
と言った。
潔はその言葉に
「俺たち、また戻ってくるよ。次はもっと成長して、もっと深い絆で」
と答えた。
パンケーキの甘さよりも、言葉の温度が胸に残った。
店を出ると、空は茜色に染まっていた。6人は並んで歩きながら、沈黙の中にそれぞれの想いを抱えていた。