第3章 運命の記者会見
それぞれが、ただ守るだけではなく、共に立ち向かう覚悟を持ち始めていた。
そして、真実を語る場が、少しずつ形を成し始めていた。
記者会見の開催が決まった翌日から、スイートルームは一変した。
英美子の提案を受けて、玲王はすぐに御影グループの広報部と法務チームに連絡を取り、会見の段取りを整え始めた。会場は御影グループが所有する都内の多目的ホール。セキュリティと報道管理が徹底された空間だった。
「英美子さん、こちらが会見用の原稿案です。ご自身の言葉で話したい部分があれば、遠慮なく修正してください」
玲王が差し出したタブレットには、広報部が用意した構成案が映っていた。だが英美子は、丁寧に礼を言いながらも、自分の言葉で語ることを選んだ。
「私の口から、ちゃんと伝えたいんです。あの場にいた人間として、そして応援者として」
千切、潔、蜂楽もそれぞれ広報担当と打ち合わせを重ね、当日の服装や発言のバランスを調整していた。
「俺、ちゃんとスーツ着るの初めてかも……」
蜂楽がネクタイを持ってうんざりした顔をしていると、潔が笑いながら手伝っていた。
「英美子さんのためだろ。ちゃんと締めとけ」
みんなの中で彼女いつの間にか『桜沢さん』ではなく、名前呼びに定着していた。
凪はというと、会見には出席しないものの、裏方として映像チェックや会場の動線確認を手伝っていた。
「……人混み嫌いだけど、こういうのは嫌いじゃないかも」