第2章 彼らは有名人だった!
タクシーの窓に流れる街並みは、どこか遠く感じられた。まだ現実がどこか幻のように感じるが、家で鳴ったインターフォン画面に映っていた不審者の姿はありありと脳裏に焼き付いていた。
英美子は斜めがけバックを、抱きしめる様にを膝に抱え、身を縮めていた。
震える指でスマホを握りしめる。
そのとき、画面がふっと光った。
千切からのLINEだった。
『英美子さん、大丈夫ですか?
ニュースを見ました。もし何かあったら、すぐ連絡してください。
僕たちは、あなたを守りたいと思っています。』
英美子は思わず、スマホを胸元に引き寄せた。涙が出そうだった。
震える指で返信を打つ。
『ごめんなさい。家が特定されたみたいで、マスコミが来ました。
今はビジネスホテルに避難しています。
しばらく連絡が取れないかもしれません。迷惑かけてすみません。』
送信を終えると、英美子は深く息を吐いた。車窓の外に、ホテルの看板が見えてきた。