第2章 彼らは有名人だった!
「ほら、あの人、似てない?」
「えー、気のせいだよ」
そんなヒソヒソ声が耳に入ってきた。
声のする方へ視線を向けると、数人の女子高生と目が合った。彼女たちは小声で何かを言い合いながら、そそくさとその場を離れていった。
(……なんだろう?)
不思議に思いながらも、英美子はパンプキンプリンを手に取り、レジへと向かった。
レジの店員も、どこか怪訝そうな表情で彼女を見ている気がする。
(本当に、なんだろう……)
財布を取り出し、会計をしようとしたそのとき、ふとレジ横のスポーツ新聞が目に入った。
そこには、目にモザイクこそかかっているものの、蜂楽に抱きかかえられた自分の姿が、でかでかと写っていた。
「……っ!」
英美子は心臓が止まりそうになるほど驚き、慌てて新聞を一部手に取った。
「これもお願いします……」
伏し目がちに新聞を差し出し、会計を済ませると、パンプキンプリンとスポーツ新聞を乱暴にエコバッグへ詰め込み、足早にコンビニを後にした。