第2章 彼らは有名人だった!
――このあと、何が動き出すのか。
その予感だけが、食堂の空気にじわりと広がっていた。
翌朝、英美子は早起きして身支度を整えると、銀行へ向かった。目的は、例のタクシー代の振込を済ませること。
二台分のタクシー代は正直、家計には痛い出費だったが、それでもあの青年たちに借りを返せたことで、心はどこか軽くなっていた。
帰り道、ふと通りかかったコンビニの前で足を止める。
「……ちょっと贅沢して、スイーツ買っちゃおうかな?」
ガラス越しに店内を覗き込みながら、英美子は小さく呟いた。
倒れたこともあり、今日は自分にご褒美をあげたい気分だった。
コンビニに入り、スイーツコーナーを眺めていると、ふと妙な違和感を覚える。視線を感じるのだ。
気のせいかもしれない、と首を軽く振って気を紛らわせながら、パンプキンプリンを手に取ろうとしたそのとき――