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足元に吹き抜けてく花びら

第1章 出会いは病院で


蜂楽は次に千切へと視線を向け、挑発的に言った。

「千切んは何気に経験あるんじゃない?」

千切はスマホをいじりながら、さらりと答える。

「ノーコメントで」

その手にはスマホが握られていた。

話題を変えるように、潔がスマホをいじる千切に声をかける。

「で?さっきから千切は何してんの?」

お茶を飲みながらスマホを見つめる千切は、目を離さずにニヤッと笑みを浮かべた。

「桜沢さんからの連絡待ち中」

その笑みは、連絡が来るという確信に満ちていた。

「え!?桜沢さんから連絡!?なんで千切んに来るってわかるの?」

さっきまでの話題はどこへやら。蜂楽は興味津々で千切の肩に手を置き、背後からスマホ画面を覗き込もうとぴょんぴょん跳ねながら尋ねた。

千切は意味深に笑いながら、スマホを軽く振ってみせた。

「まぁ、ちょっとした魔法をかけたんだよ」


その様子を見て、凪と玲王が近づいてきた。

「お前ら、さっきから何やってんの?」

紫の艶めいた瞳と髪が印象的な御影財閥の御曹司であり、現在はイングランドのサッカーチームに所属している御影玲王が、スマホを振っている千切に向かって問いかけた。

「三人とも、うるさいよ……」

眠たそうな声でぼそりと呟いたのは、玲王の後ろに立つ青年。銀髪というより、雪のように白く癖のある髪に、黒目がちな瞳が印象的な凪だった。

潔が今日起きた出来事の顛末を二人に説明すると、玲王は呆れたように眉をひそめた。

「お前たち、何やってんの?今、元ブルーロックメンバーが全員集まってるの、どういう意味か分かってる?特に蜂楽!お前、目立つような行動は控えろよ。俺ら、もう一般人じゃないんだぞ」

玲王の言葉に、蜂楽は口を尖らせながらも黙って聞いていた。

その後ろで、凪が短く一言だけ苦言を呈した。

「三人とも、軽率」

その声は静かだったが、確かな重みを持っていた。
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