第1章 出会いは病院で
――ブルーロック施設、食堂にて。
「桜沢さん、大丈夫かなー?」
潔がテーブルに頬杖をつきながらぽつりと呟く。その視線の先には、蜂楽と千切がいた。
千切は、少し考えるように目を細めてから答える。
「大丈夫なんじゃないかな。杖の付き方、かなり慣れてる感じだったし」
松葉杖の経験があり、怪我の多いスポーツに身を置く千切にとって、歩き方を見ればある程度の状態は分かる。
「体の重心のかけ方とか、腕の使い方とか、無理してる感じはなかったしね」
千切の言葉に、潔は少し安心したように頷いた。
「桜沢さん、俺たちの事知らない感じだったね。
それに礼儀正しいけど、妙に距離感ての?あったし…連絡来るかな?来るといいなぁ〜彼女結構抱き心地良かったし」
わざとらしく女性的なポーズをとっておどける蜂楽に、千切と潔は顔を真っ赤にして叫んだ。
「やめろ!」
「生々しいんだよ、蜂楽は……それに急に抱きかかえるなんて、失礼だぞ」
呆れながらぶつぶつと注意する潔に、蜂楽はにやりと笑って、その頬を人差し指でぷにっと押した。
「潔のセリフ、童貞っぽ〜い!てか、まだ未経験!?」
囃し立てるように言う蜂楽に、潔は顔をさらに真っ赤にして立ち上がった。
「おまっ!そういうことをあけすけに言うなよ!」
椅子を引いて立ち上がり、慌ててたしなめる潔。