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足元に吹き抜けてく花びら

第1章 出会いは病院で


「……本当に、真面目な人なんだなー」

そう呟いたあと、ふと我に返る。

――でも、もう会うことはない人たち。

思い出したところで、どうにもならない。

英美子は気持ちを切り替えるように、禊をするかのごとく化粧を落とし、湯船に身を沈めた。

風呂から上がり、スキンケアをしている最中、ふと床に置いたカバンから一枚の紙切れが滑り落ちた。

それは、千切たちからもらった連絡先だった。

「連絡なんて……するわけないよね」

英美子は小さく呟き、紙をゴミ箱に捨てようと手を伸ばした――そのとき、ふと裏面に気づいて、動きを止めた。

「……え?」

紙の裏には、タクシーの領収書が印刷されていた。

「しまった……タクシー代……」

青ざめた英美子は、その場にしゃがみ込み、紙を手に頭を抱えた。

知らない青年たちに迷惑をかけたうえ、タクシー代まで払わせてしまった――。

恥ずかしさと申し訳なさが一気に押し寄せ、英美子は穴を掘って自分を埋めたくなるような気分に駆られていた。
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