第1章 裏柱
璃玖と呼ばれた、斎木璃玖は、うやうやしく口を開いた。
「は。ご心配痛み入ります。胡蝶どののおかげか、薬のせいで進行が止まり、『鬼もどき』ではございますが、何とか人として生活を送ることができております。ただ、足はこれ以上の回復は見れないとの事。足が木偶同然にて無作法な姿を御館様にお見せする無礼をお許しください。」
また深々と頭を下げてから、璃玖は言葉を紡いだ。
「して、お呼び出しとはいかなる御用向きでしょうか?」
先を促すために笹目恵と目される女性が、居住まいを正して、ほほ笑みを浮かべ続ける耀哉に問うた。
「2人には隠しの育成に加え、今回の柱稽古に参加してもらい、選ばれた数十人の…その中でも特に3人、竈門炭治郎、吾妻善逸、嘴平伊之助の稽古に力を入れてもらいたい。この3人は上弦の陸を、天元と共に倒して生き残っている。特に炭治郎は刀鍛冶の里で、蜜璃と無一郎とともに上弦の、肆と伍と対立し退治して生き残った。」
耀哉は一見たんたんと穏やかな口調で説明しているが、その声には期待が含まれていた。
「え!?上弦三体を退治して生き残ってるんですか!?1隊員が!?」
その功績を聞いて、思わず笹目の声が驚きで上擦る。
「…ほぅ。それはまた稀有な…」
面白いことを聞いたように璃玖の、眉尻が僅かに上がる。
「協力してくれるね?2人とも。私は3人に、特に炭治郎には期待している。鬼舞辻無惨を倒してくれると信じているんだ。この戦いはまもなく終わると。我々の勝利で…」