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゛裏柱゛稽古編

第2章 隠しの里へ


朝、目が覚めると炭治郎達は悲鳴嶼の小屋から、璃玖と恵が待つ屋敷に向かうべく準備を進めていた。 1番に起きて岩の上で瞑想してから、準備に取り掛かる善逸の動きは特にテキパキしていた。 実は彼は前日に玄弥から、ある話を聞いていた。

「――雷の呼吸が使える人!?そんな人がいるの!?」

大声をあげる善逸の口を塞いで、玄弥はしー!っと言って指を立てた。

「実は斉木さんの継子、千切豹馬さんていうんだけど、雷の呼吸の使い手だったんだ。斎木さんが上弦と闘って足を負傷して、柱を引退しようって話が持ち上がった時、次の柱候補に千切さんが上がったんだけど、千切さんが斎木さんの元に残ることをきぼうして、辞退したんだ。その後、時任さんが、柱になったんだよ。だから、千切さんに頼んで稽古をつけて貰えば、お前ももっと強くなれるんじゃないかと思ってさ。」

玄弥とは正直あまり親しくなかったが、玄弥は実は善逸の事情を知っていた。悲鳴嶼と、善逸が思い悩む胸の内を彼に吐露していた場面を偶然聞いてしまっていたのだ。

兄弟子の鬼化…祖父のような師匠の介錯なしの切腹…。成長の行き詰まりを感じながらも仇を取りたい気持ち。 鬼化した家族を食べた母を倒した兄の背中を煙たがられても、邪険にされても、隣じゃなくていい。せめて後ろでもいいから兄について鬼を殲滅したいが、呼吸を使えず、鬼を喰ってでしか強くなれない自分を殺そうとするほど拒絶して、追い出そうとする兄へ届きたい渇望と、善逸の思いは似てるんじゃないか?そう考えて玄弥はつい善逸に教えてしまった。 そこに善逸はひとつの光明をみていた。

強くなりたい。じっちゃんの方きを取るために――
そんな思いが胸を占め、早く『裏柱』のところに行きたかった。 テキパキと、準備する善逸を見ながら、炭治郎は別の意味で、胸をふくらませながら、炭治郎も荷物をまとめていた。毎日生傷と痣を作り、修練した。苦しくて辛くても確実に前とは変わって行く自分――
強くなっていることを実感する毎日。もっと強くなりたい。みんなを守れるほどに…禰豆子を人間に戻すため、鬼舞辻無惨を倒すために。
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