第5章 籠
「さやかのお話を聴こう。なんでも話してごらん?」
柔らかい声色と神秘的な表情にさやかは妙に安心してしまって、先日の母の気持ちが容易に想像できた。
さやかは目の奥が熱くなるのを感じて、少し俯きながらぽつぽつと自分のことを語り始めた。
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どのくらいの時間話していたんだろうか。
さやかは一通り自分の苦しみを吐き出し、心がすっと軽くなっているのを感じた。
現実はいつまでも変わらないかもしれないが、ここに来ればこんなに聴いてくれる神様がいるとわかった。
これは家族以外とほとんど交流のなかったさやかには、かなりの救済だった。
さやかは床に手をつき、深々とお礼をする。
「今日は本当にありがとうございました。本当に心が軽くなり、明日からも頑張れそうです。」
「ははっ、それは良かったね。君たちが元気でいてくれるのが俺の幸せなんだ。」
「それよりも少しこちらにきてくれる?」
教祖様は金の扇子をひらひらとさせてさやかを手招きした。
「?……はい。」