第3章 予感
**************************
♪〜
鼻歌まじりに階段を上がっているのは、キメツ学園美術教師の宇髄天元だ。
(昨晩は冨岡が派手に倒れてやがったが、それを不死川が介抱してやるとは驚いたな。その後を話を聞かねばな。)
不死川と冨岡は教員のくせに生徒の前でいつも言い争いをしている。風紀を乱しているのは誰なのか、と言いたいところだが、この男、宇髄天元も余裕でそのひとりだった。
頭の中に流れる音楽にふんふんと揺れながら教室の扉をガラッと開けた。
「おいお前ら〜席に着け〜」
各々が、がたがたと自分の机に戻っていく。
天元は綺麗な秋晴れを見て大きく窓を開けた。
校庭には遅刻してきた生徒たちが冨岡に酷く叱られている。いつもの光景だ。
(ったく、あいつもいちいち怒らなきゃいいのにね〜。)
天元は教室に視線を戻し、持ってきた黒い出欠表をパラパラとめくった。
「っし!出欠取るぞ〜」