第2章 夢うつつのあの人
─────そんなこんなで冨岡にご馳走になっていた。
目の前で有り得ないほど目をきらきらさせて鮭大根を貪り食うヤツを見ていると、先程の心配が阿呆のようである。
「テメェ、体調管理も仕事の内だろォが。ちゃんと毎日規則正しく生活してんのかァ?」
「…………(モグモグモグモグモグモグ)」
「……オィ。」
(…………モグモグモグモグモグモグ……ゴックン)
「…………している。すまない、俺は食べながら喋れない。」
「…………モグモグモグモグモグモグ」
「……テメェとは本当に反りが合わねェ。」
本当に二人は気が合わなかった。
一周、いや五周回って気が合うと生徒たちに囁かれている。
二人で過ごすことはほとんどなく、会えばこんなにチグハグな会話をし、実弥の方にだけ、めちゃくちゃなストレスを与えているのだ。