第2章 夢うつつのあの人
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(気味の悪ィよく分からないヤツめ。)
実弥は思った。
(教室でぶっ倒れてやがるなんか、結構心配だろォがよ…。)
先程の料理中、一度手伝うべきかもしれないと思い台所に向かったが、冨岡が一人でニヤニヤしながら料理していたのを見て手伝う気が失せたのだ。
まあ、どちらかと言うと、元気にしてそうなら手伝わなくてもいいだろうと思ったのだった。
それからは雑務をこなしつつ、トントンと心地よい音を聴き、母の台所姿を思い返していた。
たくさんの兄弟がいる不死川家は料理だけでもとても大変そうだった。俺がいなくて今大丈夫なんだろうかと、たまに心配になる。
くるくるとペンを回しながら、丸や罰をつけていく。
(冨岡も案外料理なんかするんだなァ…。)
・・・