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花筏の作る路【鬼滅の刃】

第1章 熱に浮かされて




ふたりが足早にすぎていくとまた辺りに静寂が訪れた。

鬼の気配は近くにないが、こんなに血を流した死体が転がっているので寄ってきてもおかしくない。

血がなくなり身体が冷えてきた。

(なんだかとても寒い……、)

思えば私は前よりもずっと動けるようになった。
師範の後ろにひっつくように歩いていた頃に比べると、自分の感情や気持ちを上手く戦いに引き出せるようになっている。

どうせなら師範と共に戦って、ぶっきらぼうな言葉で認めてもらいたかったが…

「師範がいても……こんなピンチ…じゃ逆…に心配され…ちゃうか…はは。」

そろそろ眠たくなってきた。

(あ……これは、眠ってはいけないやつかも。)


冷たい岩にもたれかかり、土の匂いを感じた。

(止血…上手くいってるのかな、自分で見なきゃよね。)


重たい腕を動かして、額の布の結び目に手探りで触れようとした。

が、かろうじて保っていたバランスがそれで崩れ、身体が変な体勢にずれ動いてしまった。

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