第1章 熱に浮かされて
誰かの話し声が聞こえてきて…そして足音が近づいてくる。
「大丈夫ですか?!貴方もひどい怪我だ、このままでは危ない。簡易的ですが、隠の皆さんが来るまで縛っておきますね。」
優しい声で話しかけられ、幸せな気持ちになる。血で視界が悪く、顔を確認できなかったが、さやかは優しい彼に心の底から感謝した。
「……ありがとう、…竈門くん。」
さやかは言った。
「?!俺、どこかで貴方に会いましたか?」
「うん、……ありがとう。私は少し休まないと動けないから、竈門くんたちは先に行ってて…。」
「わっ分かりました!無理なさらず!失礼します!!」
「伊之助、行くぞ!!」
「俺にもできるんだからな!女助けるの!!」
「わかったから!急がないと、」