第1章 青の約束(青峰大輝)
ウィンターカップまであと1週間。
チームは最終調整に入っていた。
青峰くんも今日は練習に汗を流している。
「よっしゃ。残り時間はフリーシュートにしようか。」
今吉先輩がチームに声をかける。
「金城ー。ちょっと一緒に来てくれるか?大会前に調整しときたいことあるんや。」
『…?はい。今行きますね。』
そう言って、今吉先輩と私はトレーニングルームへ向かった。
『先輩、トレーニングメニュー変えますか?』
「…あぁ、ちゃうちゃう。少し金城と話したくてな。青峰のヤツ、最近は練習来るようなったなぁ。金城のおかげや。ありがとさん。」
『そんな、私は何も…』
「ウィンターカップがワシら3年の最後の試合や。負ける訳にはいかん…なぁ、金城。ウィンターカップが終わったら…ワシと付き合うてくれへん?」
『…へ…?今なんて…?』
「せやから、ワシの彼女になってくれへんかと思て。」
『え?…なんで私…』
「好きやねん。金城のこと…」
そう言いながら今吉先輩が私へと近づいてきて、右手で私の頬に触れた。
___ビクッ…
何も言えずに固まっている私の目を見て、先輩が言う。
「…青峰が良いんか…?」
『…なんで…青峰くん…?』
そう言った瞬間、
___バァンッ…!!
トレーニングルームのドアが開いて、明らかに不機嫌な表情の青峰くんが入ってきた。
すると、今吉先輩の右手を掴み、
「金城に気安く触んじゃねぇよ!」
そう言いながら私を今吉先輩から引き剥がした。
「帰るぞ…」
そう言って青峰くんは私の手首を掴んでトレーニングルームのドアへ向かった。
『ちょ…青峰くんっ…!?』
「おー怖っ。青峰を怒らせたら敵わんわ…。』
今吉先輩がそう呟いて、ヒラヒラと私に手を振っていた。