第1章 青の約束(青峰大輝)
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(どうせまたここだよね…)
いつものように屋上に上がり…
『青峰くん。今吉先輩が呼んでるよ?ウィンターカップ近いから練習来いって。』
青峰くんはいつものように頭の後ろで手を組み、青い空を見上げて寝転んでいた。
「あぁ?…めんどくせぇな…」
そう言って全く動く気配の無い青峰くんの側まで行く。
『もう。私が今吉先輩に怒られる…』
___ゴロンッ…
そう言って私も青い空を見上げた。
『私もサボっちゃおうかなぁ…』
「…いいのかよ。」
『青峰くん…私をマネージャーに誘ってくれてありがとう。…やっぱり私、バスケが好きみたい。』
「…そーかよ。」
『青峰くんは…何でバスケやってるの?』
「…何でって…まぁ好きだから?」
『…今の青峰くんは、好きでバスケやってるように見えないけどな。なんか…なんとなくやってるみたいな…上手く言えないけど…』
「…お前に何がわかるんだよ…!」
___ガバッ…
カッとなった青峰くんが、私の上に馬乗りになった。
「じゃあなんだ?おれにバスケで勝てるヤツがいるのか?いねぇだろ…俺に勝てるのは俺だけなんだよ…」
___グイッ…
青峰くんのワイシャツの襟を両手で掴み、引き寄せた。
『青峰くんより強い人なんて、すぐに現れるよ。絶対。』
その言葉を聞いた青峰くんは、目を見開いて私を見た。
そして少し笑って寝ている私を起こしながら、
「フッ…だといいけどな…。おい。一緒に練習行くぞ。」
『…うん。』
その日以来、青峰くんの練習への参加率が上がった。