第1章 再会
『…中也…』
久しぶりに再会した白雪は相変わらず美人だ。
4年逢わなかったうちに、美しい少女は美しい女へと成長していた…
あまりの美しさに息を呑んだ。
それを悟られねぇように帽子を深く被った。
チラっと目が合ったが、すぐに目線を逸らす白雪に苛立った。
「目ぇ逸らすんじゃねぇ…俺を見ろ」
俺の言葉にゆっくりと視線を戻す白雪…
その瞳は何処か力強かった。
チッ…
ンな瞳今までしたことねぇじゃねぇか…
自分の知らない彼女に更に苛立ちが増す…
「ポートマフィアを裏切った人間がどうなるか判ってんなぁ?」
『ッ…殺すなら殺して。覚悟は出来てるから…』
「チッ…なら最期に教えてくれ、あの夜何故俺に抱かれた」
ずっと知りたかった事だ。
あの夜、何故俺に抱かれてから姿を消したのか…
俺を油断させる為だったんだろう。
今までそう思うようにしてきた。
だが白雪の言葉は予想外だった…
『…初めては中也がよかったの…黙っていなくなってごめんなさい…ッ!///中也…?』
身体が勝手に動いていた…
気付けば俺は白雪を抱き締めていた。
「莫迦野郎!!!…勝手に俺の前からいなくなりやがって…どれだけ心配したと思ってんだ!!」
『ッ…ごめん…ごめんなさい…』
俺の袖をぎゅっと掴み、俺の胸の中で涙する白雪…
糞…泣かせちまった…
昔から此奴の涙に俺はめっぽう弱ぇ。
最初から抱き締めてやれば良かったと後悔した。
白雪を前にしたらまともに頭も回らねぇ。
それくれぇ俺は此奴に惚れてるってことだと改めて実感した。
「白雪…好きだ…」