第5章 変わった世界
『んっ…んぁ、あっ…』
「ッ…やべぇ。これもなかなかイイなッ…」
目の前の鏡の中にいる中也と目が合う…
その表情はあまりにも色っぽいものだ。
熱を孕んだその瞳に吸い込まれそうになり、思わず目を逸らす…
『んあっ!…あっ、ン…』
「逃げんなよ、ちゃんと前見ろ…」
耳にキスをしながら、低音で囁かれる。
ゆっくり視線を戻せば、鏡に映っているのは情事中の自身達…
自分でも驚いた。
こんな顔をするんだって…
「ンな蕩けた顔しやがって…唆るぜ…ッ、その顔見せていいのは俺だけだからな?」
中也の言葉に何度も頷いた。
私がこんな顔を見せれるのは中也だけだ…
---------
「中也、主が白雪にゾッコンなのは判っておる。だがやり過ぎじゃ!」
「すみません…姐さん…」
『姐さん…私は大丈夫ですので…』
室内に響く紅葉の叱責…
縮こまる中也と、そんな中也を庇う白雪の姿があった。
風呂での熱い情事…
中也は少しばかり暴走をしてしまい白雪がのぼせて倒れたのだ。
「ハァ…白雪に免じてこの辺にしておこう。白雪はわっちの部屋で休ませる。少し頭を冷やしてから迎えに来い。よいな?」
「はい…」
たまたま中也の部屋に用事に来た紅葉の手早い処置のおかげですぐに回復した白雪ではあったが、白雪に無茶をさせたということで中也はこっぴどく紅葉に叱られたのだった。