第4章 約束
「具合はどうだ?」
『大丈夫…ッ!///』
体を起こしてみてもお腹の傷も全く痛みがないのは森さんが手当してくれたからだろう。
心配してくれる中也に大丈夫だと伝えた瞬間、私の身体は中也の腕の中にいた…
「遅くなって悪かった…俺がもっと早く手前の元に行けていたら…手前がこんな傷負わなくて善かったのに」
中也の声は少し震えていた。
胸が締め付けられ、思わず中也の背中に手を回していた…
『中也ありがとう…助けてくれて。中也が助けに来てくれてなきゃ、今頃私は死んでた…私を見つけてくれてありがとう…』
「ッ!…マフィアに礼なんか云ってんじゃねぇよ」
顔は見えないけど声のトーンで判る。
きっと中也は顔を真っ赤にして照れてると…
想像するだけで頬が緩んでしまった。
クスクスと笑っていると、莫迦にすんなと怒る中也。
ごめんねと云えば肩を掴まれ、身体が離れた…
そして…
『ッ!中也…?』
「白雪…好きだ。八年前、手前と出逢ったあの日からずっと…」
真剣な瞳をした中也と目が合う…
本当ならば私たちは結ばれるべきじゃない。
私たちの居る世界は全く違うのだ。
だけど織田作と約束したんだ。
素直に私の気持ちを伝えると…
『私も…中也が好き…』