第4章 約束
「中也…少し寝てはどうじゃ?」
「いえ、大丈夫です。此奴が目ぇ覚めた時に側に居たいんです」
「そうかぇ…無理はするんでないぞ」
「はい」
「眠り姫のようじゃのぅ…早ぅ目覚めてやっておくれよ…」
愛おしげな瞳で白雪を見つめる紅葉は白雪の頬をそっと撫で、部屋を後にした。
なんとか一命を取り留めた白雪…
然し、数分呼吸が停止し腹部の傷が深かったこともあり2日が経過した現在も未だ目覚めていない。
中也は仕事以外は白雪の側を離れようとせずにいた。
そんな中也を心配するのは紅葉だけではなく…
「失礼するよ…白雪ちゃんの様子はどうかね?」
「首領…まだ眠ってます…」
「そうかい…彼女の生命力を信じるしかないね…。君も少しは休みなさい、君にまで倒れられては大変だ」
「…もう少しだけ…側に居させて下さい」
疲れ切ってはいるが、中也の瞳は力強かった。
中也の熱い想いに森は小さくため息をつき乍ら小さく笑い…
「今日1日、彼女の側に居てあげなさい」
「ッ!ありがとうございます!」
森は判っていたのだろうか…
中也との会話の1時間後、白雪は長い眠りから目覚めるのであった。