第4章 約束
「怪我の身で戦場に出るならこれくらいの仕込みは当然だよ〜」
糞ッ!!!!
まんまと騙されたのだ。
此奴はいつも俺を揶揄ってきやがる!!!!
「手品してる暇があったら、あの悪夢をなんとかする方法考えろっ!!!」
太宰「いやぁ無理無理、諦めて死のう!もう残った方法は1つだね…」
太宰の瞳の色が変わった…
それは野郎が本気の時にしか見せねぇ顔だ。
太宰の云いたい事は判っている…
「ッ…"汚濁"をやる気か?」
「ふっ…私たち2人が双黒となんて呼ばれ出したのは一晩で敵対組織を建物ごと壊滅させた日からだ。ただし、私のサポートがなければ中也が死ぬ…選択は任せるよ…」
「選択は任せるだと?手前がそれを云う時はなぁ、何時だって選択肢なんてねぇんだよ。」
もうコレしか方法がねぇんだったらやるしかねぇだろ…
太宰の野郎は裏切り者…
だが、こーいう時だけは何故か野郎の言葉を信じてしまう。
それは元相棒だからだろう。
俺は覚悟を決め、手袋に手をかけた。
白雪…待ってろよ。
俺が必ず手前を救い出してやるからな…
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ。更めてわれを目覚ますことなかれ…」
先ほどとは一変し、森は静まり返っていた。
美しい月は静かに中也と太宰を照らす…
「白雪のこと頼むよ…ハァー、いつかはこうなるとは判ってたけど、やっぱり嫌だなー。中也が白雪の彼氏になるなんて…まぁ付き合ったからっていっても私は彼女を諦めた訳ではないからね…」
そう云って太宰は中也との約束を無視し、その場を後にしたのであった。